【個人用メモ】最近見たもの
映画 24
「マトリックス リローデッド」
マトリックスって子どもの頃の映画なので、いちおう金曜ロードショーとかで見てはいるのだけど、理解しているかと言うと、実はまったくしていなくて、改めて見直して、ああそういう意味だったのか、と思い直すシーンが多かった。
特に、ネオのような超越者がエラーの蓄積によって、定期的に発生するバグだという説明はなんか初めて聞いたんだけど、という驚き(まったく覚えていなかった)に満ちていました。
特別な存在だと思っていた自分が、平凡な存在なのだと知らされるとか、一度死んで、超越者として目覚めるだとか、ものすごく神話的な構造なんだな、とか、そんなことを思いました。まだレヴォリューションは見れてないです。
「ヴェノム」
想像していたより、盛り上がらなかった。特に主人公とヴェノムの掛け合いがもっとあるものだと思っていたので、その点で物足りなかった。もっとロブスターの下りみたいなものがたくさん見れるとうれしい。
あと、アクションシーンで、ヴェノムが剥がれたりくっついたりするシーンは、ちょっと性癖だと思った。
「マイル22」
嫌いなタイプの映画。特に登場人物がいつも怒っていたりすると、見ていて不快になるので、あまり好ましくない。ただつまらないか、というと、ちゃんと見どころはある映画で良かった。
地元警察の役の人(名前を忘れた)が、完全にマッハとかその辺りの映画から抜け出してきた感じで、一人だけ世界観が違ったのが面白かった。マーク・ウォールバーグがプロデューサーということだけど、まあ、そんなもんだよね、みたいな読後感(?)だった。
基本のプロットは「スターリングラード」で敵と味方の凄腕スナイパーの攻防って感じ。サブプロットが現代アメリカを象徴する感じなのかな? あまり目新しい感じはしなかった。クリントイーストウッド監督が、何を描こうとしているのかっていうのが気になっているので見たけれど、個人的にはあまりはまらない。
ブラッドリー・クーパーは好きです。
「ハンガーゲーム」
「世界に一つのプレイバック」でブラッドリー・クーパーと共演していたジェニファー・ローレンス主演の映画。飲んで観るシネマのノラネコさんや、物語三昧のペトロニウスさんのブログで予習してから見たのだけど、面白さがよく分からなかった。スポンサーシステムとか面白いのだけど、うまく活用できているとは思えないし、元がジュブナイルというか、ティーン向けの小説ということで、物語のオチとかが甘めな気がした。
読書 42
漱石は相変わらず小説を読めてないのだけど、奥さんや子規とのエピソードを聞くと面白くって、その方が興味がある。というか、正岡子規と夏目金之助(漱石という雅号をもらう以前から)のBLものが読みたいのですが、どこで売ってますか?
漱石が辞書は言海を使っていたとのことで、言海が欲しいこの頃。
書くべきものなど何も残っていないという所から始めなければいけなかった、とどこかで語っていた通り、何も語っていないような小説だった。さらさらと読んでしまって、?が浮かぶ間もなく、通り過ぎてしまった。
何も書くことがない。
ジュブナイルの金字塔。やっぱり年齢層を下げるとオチが弱くなるな、と思う。ハンガーゲームより先に読んだのだけど、大きな物語の中の、ある一部分を抜き出して書く、という手法はなるほどと思った。全体主義に対抗するという文脈で、これほど綺麗な物語をかけるのは、すごいな、と。
「産業士官候補生」が面白かったので、眉村卓さんの代表作(タイトル忘れた)も読みたい。
「新版 小説道場」著 中島梓
今、本田勝一さんの「日本語の作文技術」を読んでいて、そこで書いてあることと、中島梓さんが書いている文章指南に通底している所があって、やっぱこの人、すごいな、と思った。物語が上手いとか、ストーリー・キャラクターに魅力があるとかじゃなくて、本当に小説が上手なんだな、と。
とにかく覚えたのは、リアリティの演出をすること・構成をひきしめること・文章は平らかに、の三点。次に書くのは、文学界新人賞なので、これを意識して、やっていきます。
あと、年代を追っての小説道場なので、登場する門弟の方々の成長を見ているのも楽しかった。ただの小説の書き方本というより、読み物としても充分楽しめる。
「枕草子のたくらみ 「春はあけぼの」に秘められた思い」著 山本淳子
読み終わりたくないと思いつつ、読み終わってしまった本。一条帝の時代を切り取り、その中で、枕草子が何を描き、何を伝えたかったのか。そして、定子という関白道長の仇敵である存在を褒め称える作品がなぜ千年も読み継がれたのか、に迫る名著。正直、枕草子も清少納言も、そのイメージに引っ張られて、騙されていたな、と思いました。全部、清少納言の思惑の中にいたのだな、と。
定子の死後、揺れ動いていた一条朝・貴族社会に向け、枕草子を書くという行為が定子の鎮魂であり、定子への白眼視を続けた貴族への救済であった。そう読み解く山本淳子さんのあたたかな眼差しが、本当にうれしくて、終わってほしくない、と思いました。
そして、日記の中で清少納言の悪口を書く紫式部でさえ、枕草子の世界観に触れ、源氏物語を発展させていった、と読む場面も、かーっと胸が熱くなりました。次は「平安人の心で「源氏物語」を読む」に進みたいですね。
アニメ 23
「ガイコツ書店員 本田さん」
同じ作者さんの「ほしとんで」が面白かったので、ネットフリックスで見ました。こういうお仕事ものって、自分が働き出してからの方が面白く感じます。本田さんの勤めている書店、めちゃくちゃでかいな、と地方在住の自分は思いました。以上。