感想日記 夜明けの青

主に小説・アニメ・マンガの感想、日記、雑感 誰かの役には立ちません @madderred100

【個人用メモ】最近見たもの

映画 14

「もう終わりにしよう」

 幾原邦彦作品ばりの、象徴主義的作品。あらゆることがリアリティではなく、内的必然性に従って動いていくのは、見ていて、退屈しない。しかも、男性の家族の描写に象徴的だけれど、負の面を見せて、すぐにそれだけで割り切れないものを提出してくるの、唸りました。モラハラ男から逃走する話では、という感想を呟いていた人を見かけたのですが、現代を覆っているリベラルな視点で見たら、そうなるだろうな、みたいな、罠とまでは言いませんけど、ある一面を切り捨てるかどうか、が見た人の感性に拠るものが大きくて、怖い作品だなと思いました。感想を書くと思いがけない偏見があぶり出される感じ。

 

「プロジェクト・パワー」

 アメリカ版、テラフォーマーズという感想。普通の映画。この後に見たインセプションのせいで、ジョセフゴードン……なんだっけ、まあつまり、インセプションのアーサー役の人が、不良刑事にあわないな、と。

インセプション

 テネットの予習で見たはず。キックの発想、二度目でも面白くて、笑ってしまった。時間感覚を昔から描いているので、その系譜として、テネットも面白く見られた。

 

「TENET」

 逆行軍という発想の面白さよ。見たの一月以上前なので、感想、だいぶ忘れちゃいました。相棒の運命を考えると、すごくしんどいよね。

 

「スノーマン 雪闇の殺人鬼」

 かなりスタンダードな出来のサスペンス。主人公がどこかに侵入する時、かならず床下からなのが面白かった。冒頭で、悪役の紹介があるの、最近のマーベル映画的だった。

 

トゥルーマンショー」

 ナルシシズムの檻からの脱出と、父親の庇護からの脱出と両方をばっちりこなしていて、はぁー、こんな話だったのか、となった。早く、感想書くべきだったかも。

 

マトリックスレボリューションズ

 これも、こんな話だったのか、となった。結局、ネオはスミスに勝てなかったんだね。一応、機械の支配からは解放されたので、勝利なのかもしれないけど。そういえば、四作目、準備中だっていうので、楽しみ。

 

遠い空の向こうに

 個人的推し俳優の一人、ジェイクギレンホールの若かりし頃の作品。スプートニクに魅せられた少年が、友人三人とロケットづくりに青春をかけるという、さわやかな物語。99年製作で、57年が舞台ということで、ノスタルジックの演出が自分にぴったりはまって、心地良かった。とくに音楽周り。プラターズとかエルヴィスとか。

 父親の造形がすごく複雑で、そこに衰退へ向かって行く炭鉱町の運命が重なって、画面には映さないようにしてあるけれど、かなり痛みのある映画。良かった。

 

「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」

 義父役の人が、まさかの「遠い空の向こうに」のお父さん。これまたジェイクギレンホールの主演作。奥さんを亡くしたジェイクギレンホールが、無感覚な自分にショックを受け、破滅へと向かって行く過程が、かなりエンタメしていて、このテーマは文学的になるものだけど、動的でよかった。ジェイクギレンホールが人間性を取り戻すシーンはいいよね。ナイトクローラー見てると特に。

 

「レプリカズ」

 SF的には面白いのかもしれない。クローンを作り始める所とかは面白かったし。とはいえ、そっか、という感想。

 

読書 35

「小説道場」著 栗本薫

 前回は二巻が来たけど、今度はちゃんと一巻。書いてあることは、あまり変わらない。視点とか、かなり基礎的なことが要点だけれど、結局は、小説とは何か、なぜやおうのか、の彼女のテーマになる。

 

カニバリズム論」著 中野美代子

 博覧強記の東西、カニバリズム論。85年の初出らしく、カニバリズムを彼方、善性を此方としていることへの反論が強く、古い感覚がした。それだけではないと分かっているので、それをちゃんと掴めるようにしようね、自分。

 

墨攻」著 酒見賢一

 読み返した。短いので。墨者の考え方、すごく好きなんだけど、たぶん、自分はできないんだよね。同じ作者の、周公旦も面白かったので、読み返したい。プラグマティック(現実的)な考え方をする人、ほんとうに憧れる。

 

「推し、燃ゆ」著 宇佐美りん

 これも読んですぐに、感想を書かなければいけなかった。ツイッターでも少し呟いたけど、病める時も、健やかなるときも、の結びの言葉は、死がふたりを分かつまで、であることや、最後に二足歩行をやめるあたりなどは、現実社会は、脊椎動物は生かしても、無脊椎動物を仲間としては受け入れないだろうな、とか。そんなことを思った。

 

アニメ 22

BEASTARS

 見るのに間が空いたので、とくに覚えてない。最近、完結したらしいですね。たしか、獣人ものを書くのに、あらしのよるに、とあわせて見ようと思った作品のはず。途中から、獣がメタファーなのはわかるけど、獣にする意味あるの、みたいに興味を失ってしまったの、ウサギの女の子のリアリティレベルが、かなり現実に近かったからかな、と思ってます。そこを描く時のカメラがかなり近かったぶん、人っぽさを感じてしまって、自分には違和感でした。獣人への偏見か?