【個人用メモ】最近見たもの
映画 15
「ザ・ライダー」
現在公開中の「ノマドランド」という作品が素晴らしいということなんだけど、見に行くのが難しいので、同じ路線でおススメされていたこちらを観てみた。
カウボーイやロデオには正直偏見があって、どうしてそんなことするの? という疑問が先立ってしまう。まあ、魅せられているのだというのは理解しているつもりですが。でも、馬の調教のシーンや、葦毛のガスや、引き取ってきた暴れ馬のアポロに乗るシーンなんかはすごく美しくてよかった。特に、アポロを安楽死させたシーンと、その直後の、人間はそれでも生き続けていくというセリフが作品のテーマを象徴しているのかなと。安楽死のほうがどれほど楽かわからない、その魅力に引き寄せられてしまうけれど、生き物の生きている目的はどこまで生きていたってわからないのだろうな。
アメリカの原野のカットがどれも素敵だった。
「血と砂」
岡本喜八監督は見やすくっていい。全滅エンドなのは知っていたので、それほど衝撃でもなかった。聖者の行進が途切れていくのは、何だか力強かった。佐久間大尉が仲代達也だったのかな? 殺人狂時代でも思ったけれど、演技がうまいなあ。年を取ってからの印象しかないので、若いころを見ると、はっとさせられる。
作品にたいしては、日常と戦争のシームレスさが際立っているなと思った。感覚的に、そこは分けられてないんだろうな、という。地続きで、だらーっと続いていく感じ。
「アイリッシュマン」
マフィア映画はいろいろ観てて、好きだけど、晩年はやっぱり苦しいものがあるなあと思った。晩節を汚す、という言葉があるけれど、若いころの華々しさとの落差が一層きわだつ。あの頃のマフィアって、いまでいうところのベンチャー企業で、学がなくても成り上がれる希望の一つでもあったと思うのだけど、すごく閉塞感をかんじた。結局はやっていることが違法という点に尽きるのだろうけど、時代を経るにつれて、マフィアが過激化し、一方で取り締まりも強化されていくと、それは生きるべき道ではなくなってしまうよなあ、と。
リーアム・ニーソンのアクション映画は、つい見てしまう。脚本は、マフィアの息子を殺してしまい、追手から逃げるという割と普通のものだったけれど、演出がよかった。旧友二人が線路で抱き合って、死を看取る場面とか、朝霧の森の銃撃シーンとか。あとは、大人組の歴史を垣間見れたところもよかった。この前にボビー・フィッシャーを観ていたのだけど、そこで、大人たちのしがらみみたいなものを提示されていたので、ちょっとフックにかかった。
小さな天才が、二人目のボビー・フィッシャーになる映画だと思ったら、二人目のボビー・フィッシャーを探している大人たちに、ボビー・フィッシャーは一人しかいないんだよ、一人しかいないのはみんな同じなんだよ、と教えてあげる映画だった。
誰もが主人公にもう一人のボビー・フィッシャーになることを望んでいて(母親と公園の彼は違う)、そのために主人公は苦しむのだけど、結局、自分は自分でしかないこと(買っているゲームでドローを提案する)を確かめて、そういったくびきから抜け出していく話。
ボビー・フィッシャーに縛られている大人たち、公園で賭けチェスをする古強者、トーナメントに出場することをやめた指導者、引き取った養子にチェスを叩き込む老プレイヤー、とどうやら過去に因縁があった雰囲気を匂わせつつも、あくまで物語は主人公のものだから、詳細には語られない、その部分がすごく気になってしまった。横道ばかり気になるのは悪い癖かもしれない。
「メイキング・オブ・モータウン」
モータウンの名前は知っていたけれど、所属していたグループがこれほど有名だとは知らなかった。マーヴィンゲイ、スティービーワンダー、テンプテーションズ、シュープリームスなどなど、さらには若きジャクソン5までが所属していたとあって、作中で流れる音楽もどれも耳なじみのあるものだった。
あとはデトロイトの歴史が、モータウンひいてはアメリカ音楽に影響を与えていたというのも驚いた。デトロイトは今では捨てられた街、かつて自動車製造業で栄えた街(たしか「up in the air(邦題忘れた)」でもデトロイトは失業者の多い町で手ごわいって話をしていた)という印象だったけれど、かつて栄えたのかつてに、モータウンが発足する契機があって、それは南部からの移民を工場が受け入れていたという点。街角に立って暇している若者たちが、即興の音楽を歌う。そういう素地があったから、モータウンができたし、優れた才能が集まった。面白かった。
「この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説」
アクアさまが好きなので、出番が少なくて(アクシズ教は二期でやっちゃったからね)ちょっと残念。でも、めぐみんもかわいかった。カズマは死なないと魔王軍幹部を殺せない呪いにでもかかってるのかな?
「ソニック・ザ・ムービー」
……面白かったけど、普通の映画だった。エッグマンがジムキャリーなのが面白かった。ソニックが主人公というより、エッグマンとソニックと二人が主人公って感じ。
「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」
ラストのネタバレしてたので、衝撃はなかった。この現実に戻れ議論って、あまり意味のあるものだとは思ってなくて、というのも、現実認識そのものが人間には正常な状態で機能していないという前提に立っているから、現実とフィクションを対立させるということに同意できない。「アルキメデスの大戦」が配信に来るのを待っています。
「海獣の子供」
まさかのハードSF。人間とは何か、地球とは何か、海とは何か。それに答えるべく、一つの世界を作り出す。見たのが前なので、細部を思い出せないけれど、海の映像がすごかった。何か記事にしようと思って考えていたこともあるけれど、忘れてしまった。
「コンスタンティン」
天使役の人、めっちゃかっこいいよね! 以上です。
読書 6
「小説の技法」ミラン・クンデラ
ミランクンデラの想定している小説のすがた。それは関数。状況を設定し、人間を導入し、実存の可能性を探る。ちょっと記事にしようかな。
冬はこの本で乗り切った感がある。めっちゃつらかったけど、これを読んでる時が幸せだったので、どうにか春を迎えられた。
「読んだ降りしたけどぶっちゃけ分からん、あの名作小説を面白く読む方法」三宅香帆
読みやすくて、軽くて、助かった。小説をまた読みたいって気持ちにさせてくれた。
アニメ 3
「呪術廻戦」
面白かった。作画厨なので、作画がいいとうれしい。マンガを買おうか、二期を待とうか、検討中。
「ログ・ホライズン」
円卓崩壊編が盛り上がらなくてどうしようかと思ったけれど、どうにか最後は盛り上がってくれてよかった。完結編もやるだろうし、期待してる。原作も買い揃えようかな。
「クイーンズギャンビット」
ドラマだけど、こっちに。三月のライオンと並置している人もいて、確かにと思った。孤児がそれしか生きる道がないと選んだ先で、同じ道を歩む仲間に出会う。あこがれるなあ、と思う。