感想日記 夜明けの青

主に小説・アニメ・マンガの感想、日記、雑感 誰かの役には立ちません @madderred100

最近見たもの

静岡近代美術館「藤田と熊谷」

野崎まど「小説家の作り方」

千疋屋 林檎・金柑

丸子宿 とろろ汁

アオアシ

needy girl overdose

 

 noteの方でも書いたりしたのは省くけど、こんな感じ。

 アオアシは書いてないから、ちょっと書くか。

 

野崎まど「小説家の作り方」

 駆け出し作家、物見に届いたファンレターには、小説の書き方を教えてほしい。”世界一面白い小説”のアイデアを思いついてしまった、と書かれていた。

 物見はファンの紫に小説を教えるようになるのだが、彼女は実は人工知能で……。というのがおおまかなあらすじ。やがてAIの紫は現実に物理的に干渉可能な身体を作り出し、世界はパニックに、と思わせておいて、実はそれは「取材」のための身体で……というのはAIの作者を欺くためのトリックであり、紫の本当の目的は。

 とゆるい中盤までの展開と打って変わって、どんでん返しの連続の終盤はスピード感があってよかった。結局、紫の目的は最初に述べた通り、”世界一面白い小説”を書くことで解決するのだけど、印象に残ったのは、現実に物理的に干渉可能な身体、つまりロボットを作った紫が、そのロボットの手で火に触れる場面だった。

 物見が小説を書くには「取材」が必要だ。火を書くためには火の温かさに触れる必要がある。という話は文化祭に参加したシーンで描かれていて、伏線もばっちり効いた場面ではあるのだけれど、なぜかその場面がものすごく美しく感じた。ETの指を突き合わせるシーンみたいに(ET見たことないけど)。

 

アオアシ

 これがあったら、小説の指南書いらん。「止めて蹴る」「トライアングル」「視野」などなど、サッカーの基本から教えてくれる漫画でしかも内容に普遍性があるから、物事のなんにでも応用できる。先々週、仕事で失敗して落ち込んでいたけど、アオアシ読み直したら、何したらいいか腑に落ちたので、カウンセリングにも効く。

 いろいろテクニックとか技術の話もあるけど、一番大事な根底のメンタルの話で、だからどうする? ということを徹底していて、課題・目標の設定、解決のために必要な能力・練習などなど、だからどうする? が身についていれば、あとは何でもできる。まじで最高。

 物語としても、司馬さんがでてきたあたりとか、平先輩がやめてっちゃうとことか、阿久津とか。キャラクターがぶれないから、完璧な群像劇になっていて、そのうえで主人公が成長していく少年漫画を徹底している。怖いもんなし。